2020年3月23日月曜日

S F の世界

S F (Science Ficsion)科学の虚構。
小説・映画・アニメ…
空想の人間世界が描かれていて
それぞれのジャンルの作品で
観たり読んだりしました。

2020年3月。
世界中がウィルスの感染でパンデミックになりました。
毎日たくさんの人間が、病気に感染して亡くなりました。
世界中の国々が力を合わせて病気と闘いました。
ある一人の研究者が病気を治療できる薬を見つけました。
世界中の人間たちは安心で平和な暮らしに戻りました。 おしまい。

S F 小説ならばシンプルなストーリーです。
現実社会においては、人間が暮らして行くための経済活動も大切です。
生きる糧を得るための、心配が溢れる現実を悲しく思います。

現実を受け入れることには悲しみが伴います。

2010年にオフィスデイジーを起業した当時から
使用していました車輌の使用年数が、この春で
15年目を迎えることになりました。
オフィスデイジーの仕事現場への移動手段として
車輌を使用してのスピーディーな対応を
心がけて参りました。

安全重視の観点から車種変更など、様々な角度から
検討して参りましたが、車輌での業務を
一旦中止させて戴くことに致しました。

オフィスデイジーのイベント企画として
2015年4月~9月に「楽しい終活セミナー」
(西宮市公民館活用促進プロジェクト)を開催しました。
当時、約5年前には、高齢者ドライバーの事故が
今ほど問題視されていなかったように記憶しています。

中止の判断をするきっかけの一つに、このような
「終活」を考えるシニア世代の高齢者ドライバーの
皆さまのお気持ちを、共感することも大切と思われました。

今回、ディーラー(車のメーカー)へ処分を依頼しました。
車輌の残存価値はゼロであるとの見解でした。

実は、このゼロ回答こそが、とても嬉しく思いました。
確かに未だ車は走ることができます。
しかし、もう価値が無くなるまで
愛車に乗り続けた意思を誇らしく思います。

長い距離と時間を共に過ごし、搭乗者を守り
安全に走り終えた愛車へ、感謝の思いが
沸き起こりました。

うるう年の2月29日に、愛車との別れをしました。
この感情は、もしかしたら、シニア世代の皆さまが
運転を続けたいと願う理由の一つなのかも知れないと気付きました。

長年の愛車には、家族との悲喜こもごもの大切な思い出が詰まっています。
ハンドルを握ると、懐かしい道を走ると、時を超えた空間へ心を運んでくれます。

少し前のお話です。豪華なキャンピングカーを所有されておられます方から
「乗らないので処分しようとしたら、家族のみんなから、勿体無いから
置いておいて。と言われました。」との、ステキなお話を承りました。
キャンピングカーへの、温かなご一家の思いが伝わりました。

確かに、ディーラーへ向かう日に
愛車との最後のドライブでは
言葉にできないような寂しさと
無事故で守ってくれた感謝の
思いでハンドルが重く感じました。

愛車のダッシュボードから
「MD」を取り出しました。
「運転する時に聴いてね」と
当時未だ学生だった頃の娘たちが
誕生日などのお祝いの機会に
良くプレゼントしてくれました。
「song for mum」 のタイトル
鉛筆で細かく書かれた曲目の
ナンバーは、仕事帰りの疲れた心と身体を、どれ程癒してくれたことでしょう!

      3月に入りました。
  
  S F 小説のような、世界のあらゆる街から人影が消えました。
  国内でも、卒業式も中止との暗いニュースが流れ心が塞ぎます。

     愛車の無い生活が始まりました。
     下を向いて駅に徒歩で向かう道すがら
     西日に映える、黄色いチューリップを見つけました。
     駅の傍の夙川公園では、真っ白な雪柳が泡のように咲き
     見上げると桜の蕾が芽吹いていました。














 
     空想の世界ではありません。
     現実の柔らかい風に
    「春」の到来を教わりました。
     高齢者には難しい病との情報ですが
     同世代のシニアの皆さまも、毎日に
 「春」を感じてウキウキして戴きたいと願っています。